日本に訪れる外国人の数は年々増え続けています。外国人にとって話しかけやすい警備員はこれからますます英語力が必要になります。
東京オリンピック・パラリンピックの開催をきっかけに、増加する外国人来日者へ英語で案内ができる警備員に注目が集まっており、募集要項に「英語力を活かせます」と掲載する求人も増えてきています。
目次
これからは外国人とコミュニケーションがとれる警備員の需要が増える!
今後、2021年に開催される東京オリンピック・パラリンピック、2025年の大阪・関西万博などを目的に、世界中から観光客や来賓、関係者各位が来日する機会が増えてきます。それらに比例するように、接客業やタクシー業界などで、外国人とのコミュニケーションを取ることができる人材の需要も高まってきています。
外国人に求められる警備員とは?
来日した外国人が訪れる空港やショッピングセンター、観光スポットにはたいてい警備員が常駐や巡回をしています。
外国人が施設内や屋内で目的地の案内や困ったときに、目にとまりやすいのは制服を着た警備員ではないでしょうか。声がけや、道をきかれたときの案内など英語が話せる警備員がいると、外国人のお客様も安心するでしょう。
簡単に実践できる!警備員の外国人とのコミュニケーション対策2選
警備員が外国人に話しかけられるシチュエーションの中でもっとも多いのは、通りがかった外国人に道案内を求められるパターンです。
あらゆるシチュエーションに対応できるように、様々な表現を覚えようとすると長い期間をかけた勉強が必要となってしまいますが、道案内のシチュエーションで使う表現に絞った勉強を行うことで、短めの期間で英語を実践できるようになります。
さっそく、簡単に実践できるテクニックについて見ていきましょう。
対策1:地図・スマホを使いながら道案内する
地図を併用しながら道案内することで、英語が分からなくても外国人に理解してもらいやすくなり、きちんと案内することができます。
警備員の仕事をしている際は、業務用に用意された施設案内図のようなものを手渡されることが多いです。書き込みが許されている案内図であれば、事前に案内図の中の日本語に対応する英語を書き込んでおけるので、スムーズに案内することができます。
もちろん、英語を書き込んでいなくても、イラスト化された案内図を見せるだけで格段にイメージしやすくなるので、相手に見せながら案内する手法は役立ちます。案内図以外にも、スマホを取り出すことが許されている環境であれば、スマホの地図を見せながら案内することも有効です。
対策2:「方向」に関連する英語のフレーズを覚えておく
外国人に道案内を求められる際にもっとも尋ねられやすいのが、駅やビル、イベントが行われる会場など特定の目的地への方向です。
このようなシチュエーションで使う英語のフレーズは「Go straight(この道をまっすぐ進んでください)」や「Turn right at the second corner(2番目の角で右に曲がってください)」など、「方向の指示」に関わるフレーズです。
あらゆる英語の表現を覚えるのは大変ですが、方向性に関わるフレーズを知っておくだけでも外国人相手の基本的な対応はできるようになります。
大抵の場合、外国人が尋ねてくる施設までの道のりについては、日本人の歩行者からも同じ質問をされることが多いです。普段から日本人の歩行者に尋ねられることが多い目的地までの道順を記憶にとどめた上で、「同じ道案内を英語で説明するとどうなるだろう?」と想定してイメージトレーニングを重ねておくことで、本番の道案内の際も堂々と道順を教えることができます。
今日から使える!英文例3選
ここからは、英語をあまり話せない人でも即席で使えるフレーズについてご紹介します。まずは、すぐに使えるフレーズから習得していきましょう。
英文例1:現在地を共有する「We are here now」
道案内をする際、案内図やスマホの地図を見せながら案内していく場面が多いですが、そこで最初に使うことが多いフレーズが「We are here now(現在地はここです)」というフレーズです。最初のセリフをはっきりと言えると、そのあとの会話でもリラックスして話しやすくなりますよね。
外国人に限らず、日本人と話す際においても言えることですが、話し始めの言葉を明瞭にすることで「この人は頼もしいな」というイメージを持ってもらうことができます。
実際のイメージ例は以下の通りです。
(美術館まで、どうやったら行けますか?)
(現在地はここです。)
The art museum is in front of that bank.
(美術館はその銀行の前にあります。)
(ありがとう!)
「We are here now」は道案内の最初に使うことが多いフレーズなので、いつでも言えるようにしておきましょう。
英文例2:相手の言葉が聞き取れなかった時に聞き返すための「Sorry,what was that again?」
英会話をある程度勉強していたとしても、ネイティヴが話す言葉が聞き取れない場面というのは頻繁にあります。そんな時は、相手の言っていることが分からなかったからといって流してしまうのではなく、相手が尋ねている内容をしっかり理解するためにも、聞き返すことが必要です。
「Could you speak more slowly?(もう少しゆっくり話していただけないでしょうか?)」も、相手の言うことが聞き取れなかった時に使えるフレーズです。英語に自信がなかったとしても、何度も聞き返しながら相手の知りたい内容をしっかりと探ることで、相手の満足する回答にたどり着くことができます。
実際のイメージ例は以下の通りです。
(美術館はどこにありますか?)
(すみません、もう一度言っていただけますか?)
(わかった!美術館はどこにありますか?)
(ありがとう!美術館はその銀行の前にあります。)
英文例3:言葉で説明するのが難しい時の最終手段「I’ll take you」
ある程度英語の勉強を重ねた人でも、複雑な道順や特殊なシチュエーションでの案内など、相手に正確に案内することが難しい場合もあります。そんな時の最終手段が、「I’ll take you(私が連れていきますよ)」です。
警備員という仕事は持ち場を離れてはいけないので、この英文を使う際は他の隊員に一言伝えるようにしましょう。
実際のイメージ例は以下の通りです。
(美術館はどこにありますか?)
(私が連れていきますよ。)
(ありがとう!)
同じような意味で「Follow me(私についてきて)」というフレーズもありますが、初対面の人へ使うには若干カジュアルな印象なので、やはり「I’ll take you」と伝えたほうが無難でしょう。
どうしても言葉で案内することに限界を感じて、「実際に連れて行ったほうが早い」と感じたら、「I’ll take you(私が連れていきますよ)」という英文を使ってみてください。
警備会社で働く外国籍の方はビザに注意!
外国から日本に働きに出てきて、警備員として働きたいと考えている方もいるのではないでしょうか?外国籍の方が警備員になる時に気を付けるべき「ビザ」について解説します。
ビザにはいくつか種類があります。
外国籍の方は、ビザの種類に注意してください。場合によっては、日本での労働に制限が欠けられたり、取得できないことがあります。
- 永住ビザ、定住ビザ、配偶ビザ、難民ビザ
これらのビザをお持ちの方は、雇用にあたり特に問題はありません。
- 留学ビザ、家族滞在ビザ
これらのビザを持ち、なおかつ【資格外活動許可】をお持ちの方は、働ける時間が週28時間以内と決められています。1日8時間勤務とすると、週3日ほどが限界です。シフトを沢山入れて働きたい!という方はご注意ください。
- 就労ビザ
正社員として働く場合は、就労ビザを手に入れる必要がありますが、警備業で就労ビザを取ることはまず不可能です。
就労ビザ(在留資格)は、技術的または専門的な業務に携わる方が取得できます。レジや清掃、警備、工場作業などは「単純労働」に分類されているため、取得することはできません。
英語を話せる警備員の需要は年々高まっている! できることを増やしていこう!
日本に訪れる外国人の数は年々増え続けていて、東京オリンピックの開催をきっかけとして、増加する来日者へ英語で案内ができる警備員に注目が集まっています。今後は、英語対応ができる警備員が重視されてきます。
最初から難しい文法を覚える必要はありません。大切なのは相手に伝えたいという気持ちで、技術は後からついてきます。少しずつでも英語対応スキルを身につけて、出来ることを広げていきましょう。